2011 Fiscal Year Annual Research Report
産業連関分析に基づく物質フロー解析と可視化手法に関する研究
Project/Area Number |
21710048
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
|
Keywords | 物質フロー勘定 / MFA / 環境分析 / 経済統計学 / 産業連関表 / PMDA |
Research Abstract |
産業連関分析に基づく物質フロー解析(MFA)と可視化手法として、構造経路解析法(SPA)に基づいて産業連関表を分解するための手法開発、および廃棄物産業連関分析に基づく物質フロー解析(WIO-MFA)に関する研究を行った。 構造経路解析法(SPA)に基づいて産業連関表を分解するための手法開発に関しては、新しい手法(Path-based Matrix Decomposition Analysis,PMDA)を開発した。産業部門間(生産プロセス間)の物質フローを可視化する手法としては、Sankey図がよく用いられているが、物質フローをSankey図に描くためにはデータを産業連関表の形式で整理すると効率的である。また、Sankey図は非常に有用かつ分かりやすい可視化手法であるが、リサイクル等のループが含まれる場合、あるいは非常に多くの産業部門が分析対象のシステムに含まれる場合には、図が非常に複雑になり、効果的な可視化が困難になる傾向がある。そこで、情報の取捨選択により、図を簡潔なものにする手法が必要となる。従来のSPAは、1つの数値(スカラ)としてあらわされる環境負荷の総量を経路ごとの寄与に分解する手法と見なすことができるが、この手法を拡張して、産業連関表を経路ごとの寄与をあらわす行列に分解する手法PMDAを開発した。これにより、生産ネットワークの基本構造を産業連関分析に基づいて維持しつつ、情報を取捨選択するための基本的な枠組みが提供される。この成果の一部を国際産業エコロジー学会および日本LCA学会において報告した。 WIO-MFAに関しては、UPIOM(製品1台の生産に伴う物質ごとのフローを算出し、可視化する手法)を拡張して、2つ以上の物質を同時に解析可能な手法UPIOM Cubeを開発した。この成果をEnviroInfo spra 2011国際会議で報告した。
|
Research Products
(8 results)