2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの獣害発生地域における野生動物と人間の共存に関する研究
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21710049
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩井 雪乃 Waseda University, 平山郁夫記念ボランティアセンター, 助教 (80507096)
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Keywords | アフリカゾウ / 獣害 / 認識 / 対策実践 / 環境社会学 / 環境と社会 / 生物多様性保全 / タンザニア |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)獣害認識形成過程の解明、2)被害緩和策の実践、を実施し、その上で、3)「有害な野生動物と人間の共存」のアフリカ的モデルの構築を試みることである。 本年度は、1)アフリカゾウによる農作物被害に対する住民の認識を明らかにするために、8月にタンザニア・セレンゲティ国立公園周辺村落においてフィールドワークを実施し、住民へのインタビュー調査を行った。その結果、2年前から村によって実施されている車によるゾウの追払いによって、被害認識が緩和している傾向が見られた。次年度は、これを、さらに検証する調査を実施したい。 5月には、調査地の村人5名が日本に来日した機会を利用して、村が抱える課題に関して議論し、「観光」「ゾウ害」「伝統文化」「土地権利の問題」などに関する見解を収集することができた。特に世代間で見解が異なることが明らかになった。これに関しては、公開講座「地域住民が語る:東アフリカの自然保護の光と影」(早稲田大学)において公開した。 9月には、タンザニア国立公園公社のジェームス・ワキバラ氏より、タンザニアの野生動物保全政策に関してインタビューを実施した。 その内容を公開講座「タンザニアの国立公園の挑戦:開発と自然保護の両立に向けて」(早稲田大学)によって社会に公開した。 2)の被害緩和策の実施に関しては、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターのプロジェクトとの連携で、(株)三菱自動車の協賛により、2台目のゾウパトロールカーを調査村へ寄贈した。この際、車両が適正に管理運用されるように、使用目的や使用条件に関する覚書を交わし、効果的に使われるよう配慮した。現地でのモニタリングを実施するために、現地NGO・SEDERECとの連携体制を整えた。
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Research Products
(5 results)