2010 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用に向けた放射線耐性細胞のin vivoにおける総合的解析
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21710055
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 義和 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00392225)
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Keywords | 臨床的放射線耐性 / ドセタキセル / ABCトランスポーター / 血管新生 / RAD001 |
Research Abstract |
より有効な放射線化学療法を開発する目的で、2Gy/日のX線を照射し続けても増殖する臨床的放射線耐性細胞に耐性を示す抗がん剤のスクリーニングを行った。感受性試験はHigh-density survival assay、抗がん剤は、シスプラチン、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドセタキセル、ビンクリスチン、5-FUを用いた。スクリーニングの結果、樹立した全ての放射線耐生細胞はドセタキセルに交叉耐性を示すことが分かった。ドセタキセル耐性の要因として、ABCトランスポーターやβチューブリンの過剰発現が報告されている。そこで、両者の遺伝子発現をreal-time PCRで解析したが、親株と有意な差は見られなかった。今後は、マイクロアレイ解析の結果を踏まえてドセタキセル耐性に関与している遺伝子発現を解析していく予定である。 臨床的放射線耐性細胞であるSAS-R細胞または親株であるSAS細胞を背部皮下に移植したヌードマウスに血管新生阻害薬であるRADOO1を経口投与して、2Gy/日のX線照射を行った。その結果、SAS-R由来の腫瘍はSAS由来の腫瘍に比べて早期に縮小することを明らかにした。組織学的解析の結果、SAS-R由来の腫瘍は血管密度が高く血管新生の盛んなことが示唆された。RADOO1を投与するとSAS-R細胞由来の腫瘍内血管内皮細胞はアポトーシスを誘発し、さらに血栓が形成されることで血流が遮断し、壊死を誘発することで腫瘍が早期に縮小していくことが分かった。
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Research Products
(8 results)