2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍がん幹細胞モデル細胞による放射線抵抗性獲得機構の解明
Project/Area Number |
21710062
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
白石 一乗 大阪府立大学, 産学官連係機構, 助教 (40347513)
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Keywords | 神経幹細 / 放射線抵抗性 / がん幹細胞 |
Research Abstract |
【緒言】悪性腫瘍である神経膠芽腫は高い放射線抵抗性を示すため、放射線治療後の再発率が高いことが知られている。最近、神経膠芽腫の再発率が高いのは、がん幹細胞が存在するからであるという「がん幹細胞説」が唱えられるようになってきた。本研究では正常神経幹細胞を実験的にがん化させることを目的として、マウス神経幹細胞を含むニューロスフェア形成細胞を長期間培養し、不死化させることを試みた。 【結果】マウス胎児線維芽細胞を3日毎に継代した場合は、約13回分裂した後に増殖が停止し、老化マーカーである酸性β-ガラクトシダーゼの発現が見られた。一方、ニューロスフェア形成細胞を3日毎に継代した場合も徐々に増殖能力が低下し、17~30回(平均22.9回)分裂した後に増殖が停止した。ニューロスフェア形成細胞を3日毎に継代した場合も徐々に増殖能力が低下し、17~30回(平均22.9回)分裂した後に増殖が停止した。一方、10日毎に継代した場合、8継代を超えたあたりから、一定以上の増殖率を保つようになった。現在、分裂回数は100回を越えており不死化したものと思われる。この不死化細胞の染色体解析の結果、多くの細胞で核型の不安定化が見られたが一部の細胞では正常2倍体を保っていた。
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