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2010 Fiscal Year Annual Research Report

重粒子線のLET・加速核種が及ぼす生物学的影響の解明

Research Project

Project/Area Number 21710064
Research InstitutionNational Institute of Radiological Sciences

Principal Investigator

鶴岡 千鶴  独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 准研究員 (60415411)

Keywords重粒子線 / G1-PCC breaks / 突然変異 / 多重PCR法
Research Abstract

我々はこれまでに加速核種及びLETの違いにより引き起こされる生物効果は何らかの修復過程後に引き起こされる生物効果にのみ見られる現象であることを明らかにしてきた。本研究課題では、照射後短時間に起こる生物効果ではなく照射数年後に人体影響として現れてくる可能性のある生き残りながら正常とは異なる変異を有する細胞の生物効果とLET・加速核種の関係解明を目的とした。
平成22年度は、平成21年度に引き続き研究計画書個別目的実験2(誘発された突然変異クローンを採取し、多重PCR法によるDNAレベルの損傷におけるエクソン領域の欠失の大きさとLET・加速核種の関係)として、X線、炭素、ネオン、シリコン、鉄イオンより誘発した突然変異細胞のhprt遺伝子座エクソン領域における欠失パターンの違いを検討した。さらに個別目的実験3(突然変異誘発の引き金となるクロマチンレベルの損傷は何か?遺伝的に安定に保持されている特定のクロマチン損傷は存在するのか?)として、炭素、ネオン、シリコンイオンの100keV/μmによるクロマチン切断の再結合と核種の関係を検討した。
hprt遺伝子座における欠失パターンはLETのみならず核種によっても変化し、さらに欠失サイズはLETの増加だけではなくイオン源の原子番号にも依存している可能性を示唆することができた。また、照射直後に観察したクロマチン切断では平均切断数及びその頻度分布においても核種による違いは認められなかった。一方、照射後すぐに生じる再結合の頻度では核種間において差は認められなかったが照射後数十時間後に生じる再結合において差が認められた。また再結合後の平均切断数は炭素とネオンイオンでは有意な差が認められなかったが、その頻度分布においては異なる傾向を示した。
これらのことより、LET及び加速核種による生物効果の違いは、量的な違いだけでなく質的にも違うことが示唆された。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Rejoining kinetics of G1-PCC breaks induced by different heavy-ion beams with a similar value.2010

    • Author(s)
      鶴岡千鶴
    • Journal Title

      Mutation Research

      Volume: 701 Pages: 47-51

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 粒子放射線加速核種の違いが生物効果に与える影響2010

    • Author(s)
      鶴岡千鶴
    • Organizer
      日本宇宙生物科学会第24回大会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      2010-09-18
  • [Presentation] ヒト由来正常細胞と様々な生物効果に対する重粒子線のLET及び加速核種依存性について2010

    • Author(s)
      鶴岡千鶴
    • Organizer
      東京RBC特別放談会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2010-04-17

URL: 

Published: 2012-07-19  

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