2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子から個体レベルまで総合的に内分泌攪乱物質を評価できるセンサーガエルの開発
Project/Area Number |
21710067
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 賢一 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, グローバルCOE助教 (90363043)
|
Keywords | 内分泌撹乱物質 / 核内受容体 / アフリカツメガエル / トランスジェニック / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、分子から個体レベルまで総合的に内分泌かく乱物質を評価するシステムの開発である。アフリカツメガエル左モデルとし、以下の研究成果を得た。 1)甲状腺ホルモン(TH)応答プロモーター制御下でルシフェラーゼ遺伝子を発現する遺伝子組換えガエルを樹立し、そのF1幼生を用いて、THに感受性の高い組織と器官をin vivoで評価した。その結果、嗅覚器官や視神経の感受性が高いことが明らかになり、THかく乱作用の新たな評価器官としての可能性を提示した。 2)蛍光タンパク質を融合した核内受容体の発現コンストラクトを用いて、内分泌かく乱作用の評価糸の開発を行った。その結果の1つとして、ツメガエルの芳香族炭化水素受容体(AhR)はリガンド非依存的に核内移行していることが明らかになった。 3)ビスフェノールAにより転写が抑制されるTH応答性ケラチン遺伝子に注目し、そのプロモーター制御下でGFPやDsRedを発現する遺伝子組換えガエルを樹立した。これらのF1幼生を用いて、THアンタゴニスト活性のin vivo評価が可能となった。 4)エストロジェン受容体、クルココルチコイド受容体及びAhRの標的遺伝子のプロモーターを用いたルシフェラーゼレポーターコンストラクト数種類を作製し、一部はツメガエル培養細胞を用いてin vivoでの評価を行い、さまさまなリガンドに応答することを確かめた。 本研究で得られたツールや知見は、両生類を用いた内分泌かく乱作用機構の解明に役立つものと期待される。
|