2010 Fiscal Year Annual Research Report
小学生を対象としたリン酸エステル系難燃剤の暴露調査と低減方策に関する基礎的検討
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21710068
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
上野 大介 佐賀大学, 農学部, 講師 (60423604)
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Keywords | シックスクール症候群 / 難燃剤・可塑剤 / 有機リン系・臭素系 / 環境汚染 / 室内環境 / ハウスダスト / 学校環境 / 低減技術 |
Research Abstract |
最終年度(平成22年度)に実施した研究の成果は以下の通りである。 初年度にダスト中有機リン系難燃剤(PFRs)の化学分析法を確立した。また佐賀市教育委員会と協力し、佐賀市内小学校の教室内試料(製品部材・大気・ダスト)を採取した。個人暴露試料の採取には佐賀大学附属小学校をモデルフィールドとして活用し、大気試料やダスト試料および手試き取り試料を採取した。 それら採取試料を化学分析に供し環境中PFRs濃度を測定したところ、分析に供したすべてのホコリ試料からPFRsが検出され、分析対象とした19種類のPFRsの中から14種類の物質が出された。検出されたPFRsの中ではリン酸トリスブトキシエチル:T(BxEt)Pが最も高濃度で検出され、その濃度範囲は3600~1900000ng/g乾重であった。小学校の普通教室と特別教室の間でPFRs濃度を比較したところ、有意な濃度差は見られなかった。一方で小学校Aの普通教室では特異的に高濃度のPFRsが検出された。その要因を特定する為、総PFRs濃度に対する各PFRs濃度の割合を参照したところ、どの教室においてもT(BxEt)Pが総濃度の50~99%と高い割合で検出された。T(BxEt)Pはフロアワックスに多く利用されることが知られている。A小学校では特にT(BxEt)Pの割合が高い(>90%)ことから、フロアワックスの影響をうけていることが考えられる。 PFRsの毒性影響を推察するため、ホコリ試料を介したPFRs子供のPFRs取り込み量を一日耐用摂取量(TDI)と比較した。その結果、T(BxEt)Pの取り込み量はTD1を最高で19倍超過していることが明らかとなった。
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[Journal Article] Spatial distribution of hexabromocyclododecanes (HBCDs), polybrominated diphenyl ethers (PBDEs) and organochlorines in bivalves from Japanese coastal waters2010
Author(s)
Ueno, D., Isobe, T., Ramu, K., Tanabe, S., Alaee, M., Marvin, C., Inoue, K., Someya, T., Miyajima, T., Kodama, H., Nakata, H.
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Journal Title
Chemosphere
Volume: 78
Pages: 1213-1219
Peer Reviewed
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