2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子配列特異的な微生物の生育抑制技術の開発と複合微生物プロセス制御への展開
Project/Area Number |
21710080
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
幡本 将史 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 研究員 (20524185)
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Keywords | 16S rRNA / Peptide nucleic acid / 増殖阻害 / PNA / アンチセン |
Research Abstract |
本研究課題では、16S rRNAをターゲットしたアンチセンス技術(アンチリボソーム技術)の開発を最終目的とし、本年度はその技術開発のキーポイントとなる配列設計について重点的に研究し最適化を図った。この検討では微生物の細胞壁の影響を排除し、純粋に設計したアンチリボソームオリゴの16S rRNAへの効果を確かめるため、in vitroでの無細胞タンパク質発現系(βガラクトシダーゼアッセイ)を用いて評価を行った。実験の結果、設計したいくつかのPNAオリゴのうち阻害効果の確認で来たmRNA binding domeinを標的としたPNAオリゴについてその配列特異性を評価するため、別途塩基配列にミスマッチがあるPNAオリゴを作成し、阻害効果の度合いをミスマッチの無いもとのPNAオリゴと比較した。その結果、ミスマッチを導入する事で阻害効果が低減する事がわかり、このPNAオリゴによる阻害効果は配列特異的なものであると考えられた。そこで、次に大腸菌をモデル微生物として用い実際に大腸菌の増殖を阻害できるかどうか、確認のための実験を行った。その結果、開発したPNAオリゴを大腸菌の培養系に添加する事で、大腸菌の増殖を阻害する事が確認できた。大腸菌で増殖阻害が確認できたため、大腸菌とは細胞壁構造が大きく異なる古草菌を用いて同じく阻害効果が得られるか実験を行った。その結果、阻害効果は確認できたもの、その効果は大腸菌のそれよりも低いものであった。これは、細胞壁構造の違いによるPNAオリゴの細胞内への取り込み効率によるものと考えられた事から、今後は細胞内への導入方法に関して最適化を図っていく必要がある。
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