2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機・無機ハイブリッド光触媒を用いる低環境負荷貴金属回収技術の開発
Project/Area Number |
21710082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木田 徹也 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (70363421)
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Keywords | リサイクル技術 / 光触媒 / 貴金属 / 回収 / 太陽光 |
Research Abstract |
本年度は、各種ポリ酸を界面活性剤(ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド:DODA)と複合化させ、金の光還元に対する活性を調べた。調製した有機無機ハイブリッド光触媒をクロロフォルムに溶解させ、金イオンを溶解した水を加え、さらに犠牲剤としてヘキサノールを添加し、有機溶媒と水との2相界面において、金イオンの光還元を試みた。用いたポリ酸の中でも、二原子欠損型γ-SiW_<10>O_<36>^<8->を使用した場合に、シート状の金粒子の生成率が向上することがわかった。触媒なしで紫外線を照射して金を還元させた場合に比べ、大きく回収率が向上した。シート状の粒子が生成したことは、水相での金の直接光還元が生じているのではなく、二相界面で金が還元されたことを示しており、見出したハイブリッドが触媒としてうまく機能していることを明らかにできた。この効果についてさらに詳細に調べるために、得られた金粒子を洗浄して、吸着している触媒の量をICP発光分析によって調べた。その結果、γ-SiW_<10>O_<36>^<8->を用いだ場合には金粒子に触媒が多く吸着していることが確認された。この結果から、γ-SiW_<10>O_<36>^<8->は最初に生成する金粒子に吸着し、触媒から金粒子、さらに金イオンへの電子移動が促進され、金がシート状に成長していくという生成モデルを提案した。さらに、この系に促進剤として、ポリビニルピロリドン(PVP)を加えたところ、金の回収効率がより向上することがわかった。これは、PVP自信も貴金属の還元能を有しているため、二相界面だけではなく、系全体でも金の還元が生じたためと考えられる。また、金属錯体色素をポリ酸と複合化させ、可視光応答型の光触媒の開発も行った。
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Research Products
(3 results)