2011 Fiscal Year Annual Research Report
低温溶融性イオン液体を用いたハイブリッド分離法の基礎研究
Project/Area Number |
21710084
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
新井 剛 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (60415867)
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Keywords | イオン液体 / 低温溶融性 / パラジウム / 抽出分離 / 都市鉱山 / レアメタル / 電気化学 / ハイブリッド分離法 |
Research Abstract |
本年度における当該研究は、この事業期間内に実施した1-Butyl-4-methylpyridinium Hexafluorophosphateの側鎖を変化させ、各イオン液体のPd(II)及びFe(III)等の抽出挙動を明らかとした。その結果、側鎖の増大に伴い抽出量の増大が確認された。また、この抽出量の増大は元素により異なりFe(III)では顕著であったが、Pd(II)には大きな差異が確認されなかった。このことから、各イオン液体により吸着機構が異なることが示唆された。また、側鎖の増大に伴い粘性が大幅に上昇することが明らかとなったが、これによる抽出速度の変化は確認されなかった。また、当該研究の期間内において塩酸水溶液中における20種類の金属イオンの1-Buty1-4-methylpyridinium Hexafluorophosphateに対する抽出挙動を検討した。その結果、塩酸水溶液中において1-Butyl-4-methylpyridinium Hexafluorophosphateは、Al(III),Fe(III)等のベースメタル、Pt(II),Pd(II)等の白金族元素、Ce(III),Dy(III)等の希土類元素にも抽出能を示すことが明らかとなった。さらに本研究では、抽出槽と電解槽を組み合わせたハイブリッド分離糟を作成し、これを用いてPd(II)やGa(III)を抽出した後に電解析出試験を実施し、プロセスの妥当性を検討した。その結果、Pd(II)は良好に抽出された後、速やかに電解析出ができた。この時得られたPd(II)の電析物はフユーム状を呈することが確認された。また、Ga(III)は粒状の酸化物で析出することが確認された。このことから、各元素により電解析出挙動が異なり、電解条件を変化させることで比較的良好に金属を回収できることが示唆された。
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Research Products
(1 results)