2010 Fiscal Year Annual Research Report
石油依存からの脱却:強酸イオン液体が主導するセルロースのエネルギー変換
Project/Area Number |
21710089
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
北岡 賢 大分大学, 工学部, 研究員 (50457602)
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Keywords | イオン液体 / バイオマス / セルロース / 酸触媒 / 二相系反応 |
Research Abstract |
昨年度までに強酸イオン液体を用いたセルロース分解実験を中心的に行い、最も効率的、好環境的にバイオ燃料への変換を可能とする条件を検討してきた。本年度は、最初に昨年度までの実験結果を総括した。[Hmim][Cl]にセルロースを溶解し、濃塩酸を添加することで、セルロースのフラン化合物への変換を実現した。更に、反応後に残ったイオン液体相を回収し、洗浄後に再利用して、繰り返し反応を行うと、3回繰り返し反応を行っても、収率は低下せずに反応を行うことが可能であることがわかった。これは、反応環境にやさしいエネルギー創出プロセスを確立したことを意味する。唯一、反応効率がそれほど高くは無いことが課題であると考えられた。原因は、セルロースを溶解した条件での反応であるため、フラン化合物への変換で反応が止まらず、分解反応も並行して進行したと考えられる。そこで、この問題を解決するために、イオン液体をシリカゲル表面に固定化した酸性イオン液体固定化触媒の開発に繋げることとした、この酸性イオン液体-シリカハイブリッド触媒は、イオン液体由来のセルロースの会合を解く能力と、シリカ由来の反応溶媒との分離効率の高さを併せ持つ酸触媒である。この研究期間後半に、酸性イオン液体-シリカハイブリッドの合成に取り組み、一種類の触媒を合成することに成功した。今後、このハイブリッド触媒を利用した真に環境に優しく効果的なセルロースのバイオ燃料変換反応が期待される。
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Research Products
(4 results)