2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微粒子質量分析によるストレス軽減食品の作用機序解明
Project/Area Number |
21710105
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平 修 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (30416672)
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Keywords | ナノ材料 / ナノバイオ / 食品 |
Research Abstract |
本研究を通して、ナノ微粒子を食品のような複合物の解析に用いることができることを明確に示すことができた。 Nano_PALDl MSによる食品成分群の網羅的解析を行った。対象は、高麗人参エキスとした。既存法では測定できない低分子(質量50)から高分子側までを一度の測定で検出した。有効成分群の他、脂質などを同定することに成功した。(Food Chemistry 123, 835-(2010)) フェニル基修飾ナノ微粒子を開発した。本該当ナノ微粒子は、π-π相互作用により芳香環系分子を選択的にトラップした。ナノ微粒子表面に濃縮された分子は、Nano-PALDI MSで検出することに成功した。食品成分群から目的物質を選択的にイオン化することに繋がる成果である。(Analytical Chemistry 83, 1370-(2011)) 培養動物細胞に高麗人参エキスを添加した群と非添加群に分け、その培養液を網羅的に解析した。結果、2群のMSスペクトルを統計学的(主成分解析、クラスタ解析)に比較すると添加群と非添加群が別れグルーピングすることに成功した。 マウスへの心理・疲労ストレス負荷を与え、生体の影響を調べた。糞便の脂質成分が、ストレス負荷マウスはコントロールマウスに比べ多かった。これは、ストレスにより腸の運動が抑制されたと推測できる。 新規ナノ微粒子の開発により、食品成分、食品成分の生体への影響を簡便に解析することに成功した。今後、in vivoでの影響をより詳細に調べていく。
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