2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710118
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
安田 伸広 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門, 研究員 (10393315)
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Keywords | 単結晶X線構造解析 / 微小結晶 / 放射光 / 結晶構造 / Focused Ion Beam(FIB) |
Research Abstract |
本研究の目的はFocused Ion Beam(FIB)を利用して、ナノ粉末試料からナノサイズ結晶1粒子の選択と測定用ピンへの取り付けを容易にする「ナノサイズ結晶マニピュレーション技術」を確立することである。この技術の確立により、ナノサイズ結晶1粒から高精度の3次元構造を明らかに出来る単結晶X線回折法が容易に行えるようになり、多くの未知構造、材料物質の構造決定・物性の評価が可能になると期待される。本研究では、研究対象試料を誘電体材料として良く知られているBaTiO_3にし、結晶粒サイズが100nmφ前後で起こる相転移のメカニズムを解明し、この手法の有用性を実証することにしている。本年度は、数100nmφのBaTiO_3粉末試料をFIBを利用して測定用ピンに取り付け、ナノサイズ結晶のハンドリング技術を確立させることを目標に研究を行った。 シリコン基板上に分散させたBaTiO_3試料をFIB装置中で観察し、粒子に対応した太さのアモルファスカーボンの針を試料ピン先端に作成した。さらに、作成した針の先端に試料を取り付けることに成功し、FIBを利用してナノサイズ試料をハンドリングできることを示すことが出来た。実際の試料サイズは250nmφ程度であった。 また、来年度予定していた放射光X線による回折測定を行うことができ、アンジュレータビームラインであるSPring-8 BL40XUビームラインを使用して、上記で作成した250nmφ試料からの回折X線の測定に成功した。初期の解析から、この粒子には2つの結晶ドメインがあることが示唆されており来年度は、それぞれのドメインの結晶構造と格子サイズを明らかにし、相転移メカニズムを解明するための詳細な解析を進めることを目標にする。
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Research Products
(4 results)