2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21710118
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
安田 伸広 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10393315)
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Keywords | 単結晶X線構造解析 / 微小結晶 / 放射光 / 結晶構造 / Focused Ion Beam(FIB) |
Research Abstract |
本研究の目的はFocused Ion Beam(FIB)を利用して、ナノ粉末試料からナノサイズ結晶1粒子の選択と測定用ピンへの取り付けを容易にする「ナノサイズ結晶マニピュレーション技術」を確立することである。この技術の確立により、ナノサイズ結晶1粒から高精度の3次元構造を明らかに出来る単結晶X線回折法が容易に行えるようになり、多くの未知構造、材料物質の構造決定・物性の評価が可能になると期待される。 前年度の研究では、研究対象試料であるBaTiO_3250nmφのナノサイズ結晶をFIBを利用してハンドリングすることに成功し、SPring-8の高輝度放射光X線を利用した回折測定にも成功した。初期の解析により結晶が2つのドメイン構造から成り立つことが示唆されていた。今年度はその構造について検討を行った。 2つのドメインについてそれぞれ格子定数を決定することを試みたが、予想されるTetragonalの格子では軸長の異なるc軸を有意な差として決定することができなかった。そのため、格子はCubicに近い格子定数となっていると考えられ、最終的な格子定数を決定するためにはさらに詳細な検討を必要とする。 また、微小試料をFIBを利用せずに観察できるようにするため、高倍率のズームレンズを使用した光学顕微鏡システムの構築を行った。このシステムにより、数100nmの物体を光学的に観察することができ、FIBを利用して取り付けた試料を手軽に観察することも可能になった。
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