2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムサイズ長鎖DNAの単一分子構造転移を中核とした自律的情報処理システム
Project/Area Number |
21710119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧ノ上 正浩 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (20511249)
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Keywords | ナノバイオ / 非平衡 / DNA / マイクロ技術 / 自律システム |
Research Abstract |
生命システムは数多くの分子の相互作用で情報を処理する高度なシステムである。このシステムの情報の流れは、全て、一細胞あたりに一分子しか存在しないゲノムDNAからスタートする。つまり、この高度な情報システムの根幹は、驚くべきことに、単一分子レベルの分子制御で実現されているのである。本研究では、DNAが可能にしているこの単一分子レベルの分子制御をモデル化した自律型のDNA情報処理システムの構築をめざす。そして、細胞内やナノ空間において単一分子で機能する、究極のナノ情報処理システムの基盤構築をめざした基礎研究を行うことを目的とする。 本年度の研究で、ダイナミックに溶液交換ができるマイクロサイズの油中水滴ベースの反応容器をマイクロ加工技術によって作製することに成功した。これにより、マイクロサイズの空間(体積にしてフェムトリットル~ナノリットル、細胞の体積と同じオーダー)での分子反応システムを調べる手法を構築することができた。また、ダイナミックに溶液交換ができるマイクロサイズチャンバーの中で起こるダイナミクスが、溶液交換ができる場合(非平衡開放系)と、できない場合(閉鎖系)でどのように変わるのか、数値シミュレーションをベースにした非線形科学の手法を用いて考察した。さらに、マイクロサイズの油中水滴をコントロールする技術の発展を試みた結果、マイクロサイズの液滴やマイクロサイズの物体が、定常電場の下で自律的に集団運動するという特異な現象を世界で初めて発見し、現在、そのメカニズムの解明に取り組んでいる。
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Research Products
(18 results)