2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内リン酸化シグナル網羅的解析のためのペプチド固定化酸化チタンチップの開発
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21710121
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
園田 達彦 Kitakyushu National College of Technology, 物質化学工学科, 講師 (30403992)
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / ペプチドチップ / 酸化チタン / タンパク質リン酸化 / 網羅的解析 / プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
本研究では、光触媒や太陽電池として利用されている酸化チタンのセルフクリーニング機能に着目し、これを基板として用いることで、基板そのものが非特異的吸着物除去能を有するペプチドアレイを開発し、プロテインキナーゼ活性の網羅的解析技術確立に向けての有効性を示すことを目的とする。具体的には夾雑物除去能の高い酸化チタン基板の作製方法の確立、基質ペプチド固定化方法の確立、および基板上でのリン酸化反応速度などを検討し、定量的な評価が可能か評価していく。 今年度の研究実施計画に基づき、ゾルゲル法を用いて酸化チタン基板を作製した。この基板は紫外線照射により表面が超親水化した。また前駆体溶液の組成を変えることにより、非常に滑らかな表面を持つ基板を作製できた。続いて、基質ペプチドの固定化方法について検討した。ここでは当初の予定を変更して、ポリアクリル酸による基質ペプチドの固定化を試みた。これは酸化チタンがカルボキシ基とエステル結合を形成することを利用した方法である。蛍光標識したポリアクリル酸溶液を酸化チタン基板あるいはガラス基板にスポットし、超音波洗浄を数回繰り返したのちアレイスキャナーにて観察したところ、酸化チタン基板においてのみ強い蛍光が観察され固定化されていることが確認できた。現在、ポリアクリル酸へ基質ペプチドを導入しているところである。 最後に、タンパク質の非特異的吸着量を測定する手法を検討した。ここではシアノ酢酸を用いて夾雑物を修飾し、IR測定によるシアノ基の定量結果から夾雑物の固定化量を評価する手法について検討した。その結果、基板上への固定化量を見積もることはできたものの、感度の面で問題が残った。今後は蛍光物質を修飾し非特異的吸着物の吸着量を見積もる手法を検討していく。
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