2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養のための微小環境を有する細胞増殖試験マイクロチップの開発
Project/Area Number |
21710133
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 浩二 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 器官発生工学研究ラボ, 産総研特別研究員 (60409670)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 表面改質 / 細胞培養 / マイクロアレイ / 細胞アッセイ / タンパク質固定化 / 化学工学 / マイクロパターン化 |
Research Abstract |
近年、我々は医薬品開発における細胞アッセイを効率化するため、灌流培養マイクロチャンバーアレイチップを開発した。他にも細胞アッセイを目的としたマイクロチップはいくつか報告されているが、まだ技術的な問題がある。たとえば、通常、患者から細胞を取り出してin vitroで培養するためには、適切な足場因子と液性因子で構築された培養環境が必須である。以上の背景を踏まえ、申請者はマイクロチャンバーアレイ内に微小細胞培養環境を構築するため、科学研究費若手B,195万円を受領して研究を開始した。 平成21年度は、高分子マイクロパターン化技術と微細加工技術により、マイクロチップの素材であるポリジメチルシロキサン(PDMS)に足場因子である細胞外マトリクス(ECM)を固定化する方法を検討した。PDMS表面にアクリル酸をマイクロアレイ状にパターン重合し、生成したポリアクリル酸アレイ上のカルボキシル基とECMのアミノ基を脱水縮合させ、fibronectin,collagen,lamininの3種のECMアレイを1枚のPDMS平板上に形成した。ECMアレイの形成を蛍光染色により評価したところ、マイクロチャンバーに収まる直径約1.2mmの円形スポットで構成される2列x8段のアレイが、相互汚染なく作製できたことが示された。また、単なるPDMS表面には接着しないCHO-Kl細胞をECMマイクロアレイ上にて静置培養し、細胞形態の変化を観察した結果、CHO-Kl細胞はECMを固定化していない部分には接着しなかったが、各ECMアレイには接着した。加えて、ECMの種類によって細胞の形態は異なったことから、固定化したECMの性質が細胞接着・増殖に寄与したと考えられる。本ECM固定化法は細胞接着・進展・増殖が可能な足場を、PDMS上に簡便かつ安価に構築できるため、マイクロチャンバーアレイ内に微小培養環境を構築するのに有効な手法である。
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Research Products
(7 results)