2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養のための微小環境を有する細胞増殖試験マイクロチップの開発
Project/Area Number |
21710133
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 浩二 独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 産総研特別研究員 (60409670)
|
Keywords | マイクロ流体デバイス / 表面改質 / 細胞培養 / マイクロアレイ / 細胞アッセイ / タンパク質固定化 / 化学工学 / マイクロパターン化 |
Research Abstract |
平成22年度はマイクロチップ上のマイクロチャンバー底部へ細胞接着性タンパク質(ECM)を組み込む手法を確立し、マイクロチャンバー内における微小培養環境を制御した"培養環境探索チップ"の設計、作製と動作実証を行った。 個々に独立したマイクロチャンバーアレイおよびマイクロ流路で構成されるマイクロ流路層と、異なる4種類の足場因子(collagen, fibronectin, laminin, PDMS)で構成されるECMアレイ層を作製し、両層を接着してマイクロチップを作製した。このとき、マイクロ流路に細胞懸濁液を導入した時にマイクロチャンバー内に一定数の細胞が導入されるように、また培地を導入した時に培養に必要な栄養素、および酸素がマイクロチャンバー内の細胞に適切に供給されるように、マイクロ流路およびマイクロチャンバーアレイを設計した。また、ECMアレイ層として3種のECMアレイを並べたPDMS板を平成21年度に確立した方法で作製した。このとき、ECMアレイをマイクロ流路層上のマイクロチャンバーアレイにちょうど重なる配置、かつマイクロチャンバーアレイよりも少し小さい寸法で形成し、流路の並びとECMアレイの並びが直交するように両層を接着することで、異なる液性因子を含む培地と足場因子の組み合わせによる培養環境の違いを一度の実験で一斉評価できる培養環境探索チップを作製した。 培養環境探索チップ上のマイクロチャンバーアレイでは4種の液性因子と4種の足場因子を組み合わせることが可能で、4×4=16通りの異なる培養環境を構築できた。これらの環境下でCHO細胞を灌流培養した結果、CHO細胞の培養に適切な環境が構築されたマイクロチャンバー内でのみ、CHO細胞が接着・増殖することが確認された。以上の結果から、異なる複数の培養環境の中から適切な培養環境をスクリーニングできる培養環境探索チップの試作品が完成した。
|
Research Products
(9 results)