2009 Fiscal Year Annual Research Report
外部電場バンドギャップエンジニアリングによる2層グラフェンの電気的オフの実現
Project/Area Number |
21710136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長汐 晃輔 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20373441)
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Keywords | グラフェン / 電界効果 / トランジスタ / ゲート絶縁膜 / 移動度 |
Research Abstract |
室温で10000cm^2/Vsを超える移動度を有するグラフェンであるが,ギャップが存在しないため,on/off比が小さいという問題がある.本研究では,2層グラフェンに上下から電場をかけることにより,バンドギャップをひらき電気的off状態を達成することを目的としている.この手法は,単層グラフェンをリボン化してギャップを形成させる手法と比べて,CNTと比較してグラフェンの長所であるワイドチャネルであるという特徴を生かしている.本研究目的を達成するためには,トップゲート用絶縁膜の堆積技術の確立が最重要課題となる.既存装置であるスパッタの場合,単層グラフェンを破壊してしまう可能性があるが,パワー条件の変更等,これまで蓄積してきた堆積技術により堆積条件を探った結果,パワーが弱い条件においてさえグラフェンに欠陥が導入される結果となった.この欠陥導入はラマンによるDバンド形成により確認した.そこで,Alを抵抗加熱法により酸素雰囲気中でとばすことによりAl_2O_3絶縁膜形成を試みた.予備実験として,Si基板上に蒸着したAl_2O_3膜は,電気的性質に周波数分散が生じていることがわかった.しかしながら,この周波数分散は,グラフェン上に蒸着した際には観察されなかったことから,Al_2O_3/Si界面に起因するものであり,この周波数分散は無視できると思われる.本年度の結果として,グラフェン上にAl_2O_3膜を堆積することはできたことから,次の課題としてデバイス特性の評価を取り組む予定である.
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Research Products
(10 results)