2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン量子ドットを用いた電子スピン量子ビット開発
Project/Area Number |
21710137
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺 哲夫 Tokyo Institute of Technology, 量子ナノエレクロニクス研究センター, 助教 (00466856)
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Keywords | 半導体量子ドット / 量子ビット / スピンコヒーレンス |
Research Abstract |
シリコン量子ドット中の雷子スピンを量子ビットとして用いる量子情報デバイスの物理の解明、ハードウエアのための基本技術の実現を目的として研究を行ってきた。本研究にはスピン状態実現可能なシリコン量子ドットの作製が必要であるが、シリコン中の電子は有効質量が重いため、量子閉じ込め効果を得るためにはGaAs系よりも小さな量子ドットを作製する必要があり、高度な作製技術を要する。本年度は、直径50nm程度のシリコン量子ドットデバイスを設計・作製を行い、素子評価を行った。その結果電気伝導度測定によりゲート電極による量子ドット間結合の制御に成功した。本年度作製した素子は、電子線リソゲラフィにより量子ドット構造及びサイドゲート(G1, G2)をパターニングし、その上部にポリシリコンのトップゲート(TG)左形成した構造となっている。量子ドット量子サイズ効果によりトンネル障壁を形成させるため、ソース-ドレイン間のワイヤ領域に2箇所の狭窄領域をパターニングし量子ドットを形成した。TGにより厚さ5nm程度の反転キャリアを生成し、G1,G2により量子ドットのポテンシャルを制御した。本デバイスではG2と量子ドット間に形状揺らぎに起因する付加的な量子ドットが形成され2重量子ドット構造とたった。低温(T=4.5K)における電荷安定状態図の測定を行うことにより、直列2重結合量子ドットに特有の電流ピークを示した。実験から求めたゲート容量を理論計算と比較することで、くびれにより量子ドットが形成されていることを確認した。また、2重量子ドットの量子ドット間静電結合をサイドゲートで明瞭に制御することに成功した。これは、サイドゲートによる量子ドット間の電子スピン交換相互作用変調の可能性を示唆している。
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Research Products
(7 results)