2010 Fiscal Year Annual Research Report
高感度機械量検出を目指したナノ構造のピエゾ効果に関する研究
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21710141
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
DAO VietDzung 立命館大学, 総合理工学研究機構, チェアプロフェッサー (50388138)
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Keywords | シリコンナノワイヤ / ピエゾ抵抗係数 / フォトニック結晶(PhC) / フォトニック結晶キャビティ / ひずみ測定 / ピエゾ光学効果 / ピエゾ光学効果 |
Research Abstract |
本研究は、Siナノワイヤ(SNW)のピエゾ抵抗効果及びSiフォトニック結晶(PhC)ナノキャビティのピエゾ光学効果における理論及び実験研究を行った。応力又は歪みの印加によってSNWの電気抵抗及びキャビティの共振波長が変化され、これらのピエゾ効果の寸法・結晶方位の依存性を解明した。 (1)単結晶SNWのピエゾ抵抗効果については、直径数ナノ以下のSNWのピエゾ抵抗効果の結晶方向の依存性を理論的(第一原理計算)に解明した。〈100〉方位のp型SNWの長手方向ピエゾ抵抗計数はバルクSiより100倍も大きくなっている結果を解明した。また、〈110〉方位のp型SNWの長手方向ピエゾ抵抗係数はバルクSiより60%程度大きくなった。実験では、幅35nmの〈100〉と〈110〉方位のSNWを電子描画やRIE等によって製作技術を確立し、SNWのヒエゾ抵抗効果を定量的に測定した。幅35nmの〈110〉方位のp型SNWの長手方向のピエゾ抵抗係数はバルクSiより60%程度大きくなった。また、温度の依存性については、温度が高くなればなるほど、ピエゾ抵抗係数が下がる。 (2)PhCナノ構造のピエゾ光学効果について:理論研究では有限要素法とFDTD法によって、高いQ-値をもつPhCナノキャビティを設計し、そのキャビティに歪みを印加して、光共振波長の変化を解析した。共振波長の変化と歪みは線形関係を示し、長手方向及び横方向の歪みに対する共振波長の変化量は0.1%あたり、それぞれ1.9nm、0.25nmであった。実験では、Si製ナノキャビティを製作し、波長可変レーザー測定システムを用いて光学特性とピエゾ光学特性を測定した。測定結果は解析計算とほぼ同じ結果になった。最近のスペクトロメータを利用すれば8.5E-9の微細な歪みを検出できることが見込まれる。 本研究で得られた成果により、高感度・高分解能機械量センサへの応用が大いに期待できる。
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Research Products
(18 results)