2010 Fiscal Year Annual Research Report
複合一貫輸送におけるサプライチェーン・セキュリティの評価に関する研究
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21710150
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教 (30435771)
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Keywords | 複合一貫輸送 / サプライチェーン・セキュリティ / ネットワーク解析 / データベース / 危機管理 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に構築した国際物流ネットワークデータ及びセキュリティレベル・データベースを活用し,サプライチェーン・セキュリティに関する以下の研究項目を推進した. 1.ネットワーク解析によるセキュリティパスの導出 国際物流ネットワークデータに対して,海賊や海難事故といったセキュリティデータベースを用いて時系列分析を行った.海賊の発生状況を地理情報システム上にプロットし,船舶の運航状況を表す時空間ネットワークと組み合わせることで,海賊発生地点の地理的特性を把握し,危険性の高い海域を特定することができた. 2.近接性から見た交通ネットワークの評価 サプライチェーン・セキュリティが重要となる高付加価値を扱っている航空貨物を対象として,国内における航空貨物輸送でのトラックによる空港への輸送について分析するため,地理的近接性という幾何学的な側面から,ボロノイ図を用いて空港の立地特性を明らかにした.更に,近接グラフを用いた道路ネットワークの形態解析を行い,トラック輸送における輸送品質を評価するリスク分析について試みた. 3.物流セキュリティ向上のため施策 複合一貫輸送におけるトレーサビリティを向上させる情報通信技術として,RFID (Radio Frequency Identification)について本格的な導入に向けた実証実験の現状について報告した上で,サプライチェーン・セキュリティの向上に向けた今後の普及への展望と課題について論じた.
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