2010 Fiscal Year Annual Research Report
自立型無線通信システムにおけるユーザー移動に伴う通信特性と性能評価
Project/Area Number |
21710154
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
高橋 美佐 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (60363777)
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Keywords | 自立型無線通信システム / システム信頼性 / 移動端末 / 通信可能確率 / 通信可能持続時間 / 通信不能持続時間 / ネットワークトポロジー |
Research Abstract |
自立型無線通信システムは、不特定多数からなる情報共有空間を簡便に構築できる自律分散型ネットワークである。しかし実用化には、端末間通信プロトコル方式など技術的課題のクリアと、端末相互のリンクが不確実なことに由来するシステムの信頼性の分析が必要である。 本研究では、集落など限られた領域内の小規模自立型無線通信システムの信頼性,とくに端末接続の確実性の評価を目的とする。自立型無線通信の特徴のひとつが、ユーザの移動に伴うネットワークトポロジーの動的変化である。そこで、ユーザ移動によるネットワークトポロジー変化の度合い、端末数や端末密度、端末の通信可能範囲といったネットワーク状況と端末の接続可能性や継続性などのシステムの信頼性の関係について検討する。 具体的には、直線道路上のネットワークに関する前年度のモデル解析の結果について、数値解析とシミュレーションによる数値実験をおこないモデルの評価と通信特性の評価をおこなった。システムの信頼性に関わる指標(通信可能確率)および端末間の通信特性に関わる指標(通信可能持続時間、通信不能持続時間)について、理論解析値とシミュレーション実験の結果を検討し、理論モデルの評価をおこない、領域内の端末数と端末密度、端末の移動速度などのパラメータ値を系統的に網羅した数値実験により、端末分布とシステムの信頼性の関係や通信特性を明らかにした。とくに、持続時間は非常に短いものと比較的長いものの2種類が存在することを示し、それらに出会う確率や期待値などの特性量を導き、また長い方の持続時間分布の近似解析法を示した。
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