Research Abstract |
本研究では,近年の非侵襲的脳機能計測技術の発展を受け,購買意思決定支援のためのBrain Computer Interface (BCI)を作成することを目的とした.具体的には,商品選好に関する研究を行った. 本年度は,前年度の実験結果に基づき,BCIを作成した.具体的には,計測機器としてfNRIS (OEG-16)を用い,画面上に順番に2つの食べ物の写真が表示され,その間に計測された脳情報(酸素化ヘモグロビン)はリアルタイムにUDPを用いてPCに転送される.転送された脳情報はローパスフィルタによってノイズ(生体ノイズなど)を除去する.次に,ノイズが除去された脳情報を用いて学習する.学習手法として,少ないデータ数でも汎用性が高いサポートベクターマシン(SVM)を用いた.学習結果に基づき,2つの食べ物のうち,好みの食べものを判別し,その食べ物に関する詳細な情報を表示する.上記の内容で作成したBCIを用いて実験を行い,分析を行った.学習に用いる脳部位を固定した場合,判別率は約60%程度であった.そこで,個人差を考慮するために,脳部位の組み合わせごとにオフラインでの判別分析を行った.その結果,3ヶ所の測定部位の組み合わせを変えることで,約80%程度の判別率を得ることができることが分かった.つまり,複数の学習器(SVM)を持つことで,判別精度が向上することが分かった. 上記の結果から,脳情報から,人間の選好を読み取れる可能性を示唆することができたと考えられ,これはニューロマーケティングに貢献するものであると思われる.また,測定箇所を3箇所にすることが可能であり,システム全体の小型化に貢献するものであり,実務で利用するための重要な問題点の解決につながるものであると考えられる.
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