2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関への質マネジメントシステム導入・推進における阻害要因克服の方法論
Project/Area Number |
21710162
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金子 雅明 Waseda University, 理工学術院, 助手 (30454036)
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Keywords | 医療の質安全 / QMS / QMSの重要な概念 / QMS導入推進 |
Research Abstract |
本研究の平成21年度における研究アウトプットは、医療機関におけるQMS導入推進の困難モデルの構築とその克服方法の導出・体系化の2つである。 前者については、先行研究で収集したデータを用いて、QMS導入推進上で医療者が発したQMSに対する疑問、困難、意見などの発話内容を59件抽出した。そして、個々の発話内容を、あらかじめ分析のための視点を設定しておいた発話内容分析シートを用いて分析し、個々の発話内容に潜む阻害要因を抽出した。その結果、すべての発話内容分析によって72の阻害要因を抽出した。そして、モデル化の方法としてISM法を用いて、因果連鎖構造で表現された困難モデルを構築した。困難モデル内には様々な種類の阻害要因が存在しており、結果としては、医療分野の構造的要因、組織活動制約要因、組織内部行動要因、直接的阻害行動要因の4つに分類できた。 また後者については、QMS導入推進の困難を克服するという視点から、構築した困難モデル内の個々の因果連鎖を切断するための方法を検討することで阻害要因克服方法を導出し、1次項目から3次項目に向かってより具体的な施策として体系化を行った。その結果、QMS導入推進上で理解すべき9のQMSの基本的な考え方すべてに必要な310もの阻害要因克服方法が得られた。以上の結果から、来年度は得られた困難モデルと阻害要因克服方法が他の複数の医療機関でも適用可能化の検証を行う。また、これら成果をQMS導入推進の主要な活動要素(QMS教育、内部監査、文書管理、医療安全管理など)に組み込むことが重要であり、その活用方法について引き続き研究を進める予定である。
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Research Products
(8 results)