2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関への質マネジメントシステム導入・推進における阻害要因克服の方法論
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21710162
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
金子 雅明 青山学院大学, 理工学部, 助手 (30454036)
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Keywords | システム工学 / 品質管理システム / 医療安全 / 社会システム / 導入推進 |
Research Abstract |
医療におけるQMS導入・推進における阻害要因克服方法を実際の医療機関に適用し,その有効性を検証した.有効性の検証方法としては,実際に阻害要因克服方法を適用することで当該医療機関のQMS活動がスムーズに進むようになったか,QMS活動を進める医療スタッフの理解が得られているかで行った.QMS活動には様々なものがあるが,今回はQMS構築における基本的,かつ重要な活動である「業務の可視化・標準化」「医療安全管理システム」の2つを取り上げた.結果としては,QMSの重要な概念のうち,質概念,標準化の理解に関わる阻害要因が多く発生したが,それに対応する克服方法を適用することで,その解決を図ることが可能である点を確認できた.さらに,これら2つの活動に「文書管理」を加えることで,医療機関が提供する医療サービスの質・安全を継続的に改善する基盤がほぼ整うことになる.したがって本研究では,阻害要因克服方法を活用して,「文書管理」の仕組みの導入・推進を新たに別の2つの医療機関で試みた.その結果,文書管理の導入においても,多くの阻害要因の存在を確認できたが,この際に各医療機関に置いて勉強会,講演会および小グループによる討論を通じて医療スタッフの誤解を解き,QMS活動に対する正しい理解を得るこどができた.また,実際に文書管理運用で重要となる組織全体をカバーした文書体系,運用システムの構築まで進めることが可能となった.以上から,上記3つの重要QMS活動要素の導入・推進における阻害要因克服方法の有効性が確かめられ,各医療機関にとっては自組織の製品・サービスの質・安全を継続的に改善するための基盤づくりが可能となる.
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Research Products
(4 results)