2009 Fiscal Year Annual Research Report
多品種フロー問題によるコンテナ船航路ネットワーク設計手法の開発
Project/Area Number |
21710164
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
小林 和博 National Maritime Research Institute, 物流研究センター, 研究員 (00450677)
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Keywords | 数理工学 / アルゴリズム / ロジスティクス / ネットワーク設計 / 海上物流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、コンテナ船が効率的に運航できる定期航路を、混合整数計画問題(多品種フロー問題の拡張)を用いて設計する技術を開発することである。この研究により、海運会社が船舶を常時高効率で稼働できる定期航路ネットワークの設計が可能になる。海運企業の意思決定は、長期(数年~数十年)、中期(数か月~数年)、短期(数日~数カ月)に分けられる。本研究の対象は、中期の意思決定である。短期の意思決定の代表的なものは船舶スケジューリングと呼ばれ、研究代表者が既に実施した研究開発により、現行の計画作成手順よりも5-8%程度費用が削減できることがわかっている。短期の意思決定の効率化手法は、現場に導入しやすい半面、効率化効果が限定的である。 本研究では、中期の意思決定までを効率化の対象に取り入れることにより、より大きな効率化を目指す。 輸送要求を満たすように航路ネットワークを設計する問題には既存研究が存在するが、対象を内航船とした場合には、開港時間の制限(夜間休日は閉まる)、使用する船舶が小型で限られていることを考慮する必要がある。これらの条件を取り入れるために、多品種フロー問題を拡張した。より具体的には、船舶数を表す整数変数を導入することによって、輸送需要を満たすことのできる船隊構成のうち、最も費用の小さくなるものを選択することのできる混合整数計画モデルを開発した。ここで新たに開発しているネットワーク設計モデルは、短期の意思決定モデルである船舶スケジューリングモデルと連動させることを目指している。現在の船舶スケジューリングモデルは数日の計画期間を対象としているが、これをより長期の需要動向の統計情報を取り入れるものに拡張し、数値実験により開発モデルを検証した。
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Research Products
(2 results)