2010 Fiscal Year Annual Research Report
多品種フロー問題によるコンテナ船航路ネットワーク設計手法の開発
Project/Area Number |
21710164
|
Research Institution | 海上技術安全研究所 |
Principal Investigator |
小林 和博 独立行政法人海上技術安全研究所, 運航・物流系, 研究員 (00450677)
|
Keywords | 数理工学 / アルゴリズム / ロジスティクス / ネットワーク設計 / 海上輸送 |
Research Abstract |
貨物船が効率的に運航できる定期航路を、多品種フロー問題への定式化によって設計する技術を開発することが本研究の目的である。この研究により、海運会社が船舶を常時高い効率で稼働できる定期航路ネットワークの設計が可能になる。他の輸送モード、すなわち陸上輸送、航空輸送での多品種フロー問題の適用事例を調査し、取り入れることによって、海上輸送での運用条件を扱うことのできる汎用的な数理モデルを開発する。開発するモデルは混合整数計画問題となるので、実務規模の問題を実用的な時間で解くために、問題の構造を活かした効率的な解法(アルゴリズム)の設計を行う。 多品種フロー問題のロジスティクス分野への適用事例を調査した。これは陸上輸送、航空輸送を対象としたものが主であるので、これらを中心に調査を行った。数理最適化問題としての多品種フロー問題の最新の研究動向も調査した。主な解法であるラグランジュ緩和に基づく方法、列生成に基づく方法を中心として、計算機上への実装を前提とした場合に有効な解法の調査を行った。この調査に基づき、航路ネットワーク設計のための基礎数理モデルを開発した。さらに、そのモデルを解くための効率的なアルゴリズムの開発を実施した。開発にあたっては、理論上の計算量とともに、計算機上への実装方法も十分に考慮した。 中期の計画である航路ネットワーク設計は、短期の計画である船舶スケジューリングと密接な関係がある。したがって、航路ネットワーク設計と船舶スケジューリングとの連携を考慮することは重要である。短期の計画である船舶スケジューリングにおいて、中期の視点を取り入れるために、近似動的計画法を取り入れた数理モデルを開発した。
|
Research Products
(2 results)