2010 Fiscal Year Annual Research Report
廃止ローカル線橋梁群を利用したスマートセンサーによる構造健全度診断技術の実証実験
Project/Area Number |
21710166
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮森 保紀 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00363383)
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Keywords | センシング社会基盤 / スマートセンサー / 構造健全度診断 / ヘルスモニタリング / 振動測定技術 / データレポジトリシステム |
Research Abstract |
橋梁の損傷・劣化の程度や位置をセンサーで計測したデータから同定する構造健全度診断技術を開発した。特に実構造物で実証実験が可能な「テストベッド」を鉄道廃線に残存する橋梁を利用して構築した。このテストベッドで半導体技術を利用したスマートセンサーの実証実験を行った。スマートセンサーは半導体技術を応用して、小型の電子基盤の上に、無線通信機能、データ処理機能、加速度測定機能、温度測定機能などを集積したものである。 本研究では、米国イリノイ大学の研究者と密接に連携をとり、イリノイ大学で開発されたセンサーシステムやミドルウェアを利用することで、スマートセンサー技術の実用化を早期に実現するための実橋梁での測定実験や関連する装置の開発を行った。 橋梁は屋外の風雪にさらされる環境にあり、外部からの電源供給も期待できないため、運用時はこのような厳しい環境に対応した保護ケースや電源装置が必要になる。このため、自律的な電力供給を行うため太陽光パネルと大容量充電池を備えた電源供給システムを開発し、防水、耐寒性能を備えたケースに収納して、低温室での測定実験を繰り返して行った。 また、本研究は大量の振動測定データから橋梁の損傷を検出するものであるが、このような大量のデータの管理はこれまでそれぞれの研究者が独自の方法で行っており、データの共有や継続が難しかった。近年の大規模共同研究では、データベース技術を利用したデータ管理が行われ始めており、本研究ではこれらの技術を振動データの管理に応用すべく、比較的シンプルなスタースキーマ型のデータレポジトリシステムも開発した。 上記で開発した技術を、実際の歩道橋吊橋にも適用して実用性を確認した。
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