2009 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域地震動予測に必要となる震源の周波数依存性の解明
Project/Area Number |
21710178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 弘恵 東京大学, 地震研究所, 助教 (90401265)
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Keywords | 震源 / 強震動 / インバージョン / シミュレーション / 地震 / 地震工学 / 動力学 / 運動学 |
Research Abstract |
長周期から短周期に至る広帯域地震動予測(周期0.1~10秒)実現のためには,広帯域な震源破壊過程の推定が欠かせない.すべり量の推定に適した長周期波形インバージョンに加え,破壊の開始・成長・停止メカニズムを推定するためには,震源の短周期生成過程の推定が不可欠である.また,地震被害に直結する短周期源の推定やその繰り返しのメカニズム解明は,地震防災において重要である.本研究では,周波数依存性を導入した広帯域不均質震源過程を推定する震源インバージョン法を開発し,解析周波数帯の推移に伴い変化する震源像を捉え,巨大地震の広帯域強震動予測を実現する震源モデルを構築することを目標とする. 平成21年度は,内陸地震と海溝型地震を対象に長周期から短周期に至る広帯域地震動再現に必要な震源像の絞り込みを行い(e.g.,Miyake et al.,2010),震源インバージョンの断層面積の設定方法に依って,長周期側のアスペリティサイズと短周期側の強震動生成域のサイズに乖離がみられる条件を明らかにした.そして,宮城県沖地震を対象に,二重スペクトル震源モデルを提案し,長周期側と短周期側について乖離が生じないアスペリティ面積の設定を行うことで,地震学的に重視されている長周期から地震工学的に重視されている短周期に至る広帯域震源モデルを構築した.
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