2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウェブアンケートに基づく地震被害と震度の研究-地震災害情報Web2.0-
Project/Area Number |
21710179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 聖子 東京大学, 地震研究所, 助教 (40443337)
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Keywords | 被害予測 / 分析 / 対策 / 震度 / 地震 |
Research Abstract |
昨今の震度6以上を記録する被害地震において、計測震度と被害実態とが合わないことが指摘されている(2008年岩手・宮城内陸地震,岩手県沿岸北部の地震など)。これは計測震度では人体感覚に合うような周期1秒以下の地震動に対して重みがあるフィルター特性が用いられているのに対し、震度6以上の震度階級解説文に書かれている建物被害には周期1秒から2秒の地震動が影響を及ぼすことによる。震度表示が軽視されるようになれば地震直後の救援初動体制に悪影響を及ぼしかねない。申請者は、地震発生後に誰でも体感震度報告ができるようなウェブフォームを構築した。フォームはアンケートに基づき、統計的に体感震度を算出するものを検討していたが、多くの日本人は体感によって「震度○」と各自が判断しているため、直接体感震度を入力できるようなシステムとした。この点において、地震国ながら地震発生頻度が圧倒的に少ないアメリカやイタリアにおける同様なシステムとの大きな違いがある。また、体感震度と郵便番号(あるいは市区町村名)の入力を必須項目とし、入力した体感震度はGoogle Map上に表示されるようになった。国内の一部で限定的に試験されていた既存のシステムとの差別化をはかった。オプションとしてコメントも記入できるようになっている。これにより、インターネットをコミュニケーションプラットフォームとして活用した参加型/双方向情報流通型の防災リテラシー向上システムの構築(地震災害情報のWeb2.0化)が実現された。
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