2009 Fiscal Year Annual Research Report
目標による管理に基づく水道事業体の災害対応業務の確立
Project/Area Number |
21710190
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平山 修久 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (00399619)
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Keywords | ライフライン防災 / 上水道工学 |
Research Abstract |
本申請研究では、地震発生直後の限られた情報しか得られない情報空白期に着目し、災害初動時における水道事業体の対応方針・目標を明確にした災害対応業務を確立することを目的としている。これらの目標を達成するため、目標による管理に基づく災害対応に関する調査を行うとともに、情報空白期においても対応目標として設定可能となる上水道の応急復旧日数の推定手法を統計学的解析により導出した。 まず、ICS (Incident Command System) Protocolsによる災害対応を実践している米国における水道事業における災害対応、システムについて調査するとともに、既往の水道施設に被害が生じた地震災害における被害情報を収集した。 これらの情報に対して統計学的解析により、水道管路被害件数予測手法を導出した。また、上水道の応急復旧に関する数値モデルを構築し、数値シミュレーションを実施することで、情報空白期においても活用可能となる上水道の応急復旧日数の推定手法を導出した。今世紀前半での発生が危惧されている東南海・南海地震を対象とし、外部応援復旧人数を政策変数として、構築した手法を用いて応急復旧日数と外部応援復旧人数との関連性について数値解析を行った。その結果、限られた応急復旧に対する人的リソースをいかにマネジメントするのか、その手法の確立、業務の体系化に対する重要性を定量的に示しえた。 平成21年度の成果により、目標による管理に基づく災害対応の視点から水道事業体の災害対応業務について分析することが可能となり、目標を明確にした水道事業体の災害対応業務体系の構築に向けて当初の計画のとおり推進できているといえる。
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