2009 Fiscal Year Annual Research Report
改良SELEX法による哺乳類リボヌクレオプロテーム(RNPome)動態の解明
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21710191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 将司 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (20422412)
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Keywords | ncRNA / 機能性RNA / リボヌクレオプロテオーム / SELEX / アプタマー / 転写後発現調節 |
Research Abstract |
遺伝子の発現は、転写開始から翻訳終結に至る様々な段階で調節を受けており、その多くでRNAと蛋白質との相互作用が中心的な役割を果たしている。また、高等真核生物において大量の非翻訳RNA(non-protein-coding RNA、ncRNA)が存在する事が明らかになっているが、その中には、tRNAやrRNAのように特異的な立体構造を形成し、蛋白質と直接相互作用してその機能を制御する新規な機能性ncRNAも存在すると推測される。本研究では、試験管内分子進化(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment、SELEX)法を応用して、生体内で蛋白質と相互作用する新規な機能性RNA因子群を同定し、高等真核生物におけるRNA-蛋白質相互作用を介したゲノム調節動態(ribonucleoproteome、RNPome)の解明を目指す。 当該年度の研究では、ヒト培養細胞より抽出した全転写産物を初期プールとして用い、複数の細胞内蛋白質を標的として改良SELEX法を行い、これらの標的蛋白質と直接相互作用する新規なRNA因子群の同定を試みた。これまでに、普遍的転写伸長制御因子ならびに翻訳開始因子と相互作用するRNAをそれぞれ同定している。これらのRNAはいずれも既知の蛋白質をコードするmRNAの一部であり、申請者は、同定された相互作用が新規な転写後発現調節機構に関与しているものと考えている。 この結果から本研究の改良SELEX法が、新規なRNA-蛋白質相互作用を同定するための有効な実験系である事が確認された。今後、同定された相互作用の生物学的な意義を検証するため、ヒト培養細胞をもちいた実験系ならびに試験管内実験系をもちいた解析に着手する。
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