2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂東 優篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (90360627)
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Keywords | コヒーシン / アセチル化 / HDAC8 / SMC3 / クロマチン免疫沈降 / コルネリア・デ・ランゲ症候群 / ChIP-seq |
Research Abstract |
コヒーシンサブユニットSMC3のアセチル化は、細胞の機能(遺伝子発現、細胞増殖)に重要な役割を担っている。コヒーシンは、染色体上でアセチル化され、染色体の高次構造を制御し、機能を発揮していると考えられる。前年度にSMC3を特異的に脱アセチル化する酵素としてHDAC8を見いだした。HDAC8は、染色体から乖離したコヒーシンを積極的に脱アセチル化することを明らかにした。今までに知られているコヒーシン関連遺伝子に原因がないコルネリア・デ・ランゲ症候群患者の中に、HDAC8遺伝子に変異をもつ人がいることを同定し、HDAC8が新たなCdLS原因遺伝子であることを明らかにした。また、アセチル化SMC3のChIP-seq解析を行い、アセチル化SMC3の染色体局在を同定し、その領域はコヒーシン局在領域全体のうち、約1割程度であったが、HDAC8欠損やノックダウンすると、染色体上のアセチル化コヒーシン局在領域が増加した。一方で、これらの細胞ではコヒーシンそのものの結合領域の減少が見られ、コヒーシンの染色体への結合の不安定化が起こっている可能性が示唆された。さらにHDAC8欠損細胞では、コヒージョン形成の異常は認められないが、新たなコヒーシン合成を抑制するとコヒージョン形成の異常を示すことが分かった。これらの結果から、HDAC8が機能しなくなると、コヒーシンのアセチル化は消去されず、アセチル化されたままの異常なコヒーシン複合体が蓄積し、細胞の機能不全を引き起こしている可能性が考えられる。
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[Journal Article] Sororin mediates sister chromatid cohesion by antagonizing Wap12010
Author(s)
Nishiyama T, Ladurner R, Schmitz J, Kreidl E, Schleiffer A, Bhaskara V, Bando M, Shirahige K, Hyman AA, Mechtler K, Peters JM
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Journal Title
Cell
Volume: 143
Pages: 737-749
Peer Reviewed
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[Journal Article] Genome-wide DNA methylation analysis in cohesin mutant human cell lines2010
Author(s)
Liu J, Zhang Z, Bando M, Itoh T, Deardorff MA, Li JR, Clark D, Kaur M, Tatsuro K, Kline AD, Chang C, Vega H, Jackson LG, Spinner NB, Shirahige K, Krantz ID
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Journal Title
Nucleic Acids Res.
Volume: 38
Pages: 5657-5671
Peer Reviewed
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