2010 Fiscal Year Annual Research Report
核マトリクス付着領域予測プログラムMARcode法の開発
Project/Area Number |
21710197
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮地 まり 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50349255)
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Keywords | 核構造 / 神経細胞 / 繰返し配列 |
Research Abstract |
核マトリックスに結合するDNA配列(MAR)に内在すると考えられるコード(MARcode)を解明するため、核マトリックスタンパク質SP120に着目した。SP120は、DNAトポイソメラーゼ(トポ)IIβと複合体を形成し、神経細胞分化過程で重要な働きを担うことが予想される。私たちは、ratの初代培養神経細胞を用いて、分化過程でのSP120の結合領域をゲノムワイドに同定した。その結果、SP120の細胞内における結合領域には、様々なDNA配列が含まれており、すべての配列を包括的に説明するのは困難なことが分かった。そこで、同定された配列中に頻度の高かったSatellite(SAT)Iとよばれるゲノム上に散在する繰り返し配列に着目した。前年度までに確立したSP120とDNAの結合活性を試験管内で評価する系(pull-down法とEMSA)を用いてSATIとSP120の結合を調べた。ゲノムに散在するSATI配列は、それぞれの配列に様々な変異が存在する。SP120と細胞内で結合した特定のSATI配列は試験管内でもSP120と特異的に結合した。今後、SATI配列の変異を利用すれは、詳細にSP120のMAR認識機構が明らかになると予想される。MARcode解明のため、核マトリックスタンパク質の1つ、SP120に着目し、その一端を明らかにしようと試みたが、核マトリックス構成要素の1つを取り上げただけでも、その結合DMA配列は多彩で共通する要素を見出すことは困難であった。その理由の1つは、前年度の解析で明らかになった複数のDNA結合ドメインの存在が上げられる。また、このタンパク質が多数のタンパク質と複合体を形成していることも一因と考えられる。SATI配列以外にも多数のSP120結合配列が同定できており、今後、その評価とMARとしての機能を明らかにし、MARcode完全解明を目指す。
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Research Products
(4 results)