2011 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ-褐虫藻共生体の分子メカニズムの解明~白化現象解明を目指して~
Project/Area Number |
21710199
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Research Institution | 沖縄科学技術大学院大学 |
Principal Investigator |
新里 宙也 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, 研究員 (70524726)
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Keywords | サンゴ / 褐虫藻 / 共生 / 白化現象 / 遺伝子発現応答 |
Research Abstract |
サンゴは「褐虫藻」と呼ばれる微細藻類と共生している。わずかなストレスにより共生システムが崩壊し、サンゴから褐虫藻が抜け出す「白化現象」が起こる。最悪の場合サンゴの死に繋がる。これまでのサンゴの生物学的研究においては分子レベルでの知見は少ないのが現状である。サンゴが直面する危機、「白化現象」を生物学的に深く理解するためには、サンゴ掲虫藻の共生機構とストレス応答メカニズムの、分子レベルでの詳細な知見は欠かせない。本研究では「サンゴ掲虫藻共生体」を一つの「生命体」として考え、「次世代シークエンサー」を用いて、サンゴのストレス時の遺伝子発現応答を、これまでに無いレベルで網羅的に解析する。そして(1)ホスト(サンゴ)の分子レベルでのストレス応答、と(2)サンゴ-褐虫藻生命体の共生メカニズムの分子機構、を明らかにする事を目的としている。 23年度には追加の環境ストレスとして、共生の有無を実験的に操作出来るコユビミドリイシ(Acropora digitifera)の稚サンゴ(初期ポリプ)を用いて、褐虫藻が共生しているもの、していないものに紫外線(UV)ストレスを与え、サンプリングを行った。現在網羅的な遺伝子発現解析を進めている。 本研究でこれまでに得られたコユビミドリイシのトランスクリプトームのデータも用いてコユビミドリイシのゲノム解析に貢献し、世界で初めてサンゴの全ゲノム解読を発表することが出来た。これらゲノムとトランスクリプトームのデータを用いて、サンゴの蛍光タンパク質(GFP)の解析も行った。そして、これまでに動物で細胞レベルでのストレス応答に関わっているとされる遺伝子群(defensome)について、解読されたゲノム情報からこれら遺伝子の解析・同定を行った。
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[Journal Article] Using the Acropora digitifera genome to understand coral responses to environmental change2011
Author(s)
Shinzato C, Shoguchi E, Kawashima T, Hamada M, Hisata K, Tanaka M, Fujie M, Fujiwara M, Koyanagi R, Ikuta T, Fujiyama A, Miller DJ, Satoh N
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Journal Title
Nature
Volume: 476
Pages: 320-323
DOI
Peer Reviewed
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