2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710201
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岡 芳美 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30470115)
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Keywords | 核酸 / 癌 / ゲノム |
Research Abstract |
DNA配列の変化を伴うことなく後天的なDNA修飾に起因するエピジェネティクス的な遺伝子発現制御機構の研究が急速に進められており、癌などの疾患に対する診断や治療への展開が待望されている。癌抑制遺伝子を不活性化する重要な機構として、遺伝子の転写調節領域に多く存在するCpGアイランドのシトシンのメチル化が知られている。シトシンのメチル化は発癌の一つのシグナルと見なされ、その検出定量は、発癌を予測する遺伝子診断技術へと応用展開が期待される。メチル化シトシンの検出法は、バイサルファイト・シーケンシング法が一般的である。バイサルファイト法では、反応率を上げるために、ゲノムDNA一本鎖に融解した後、高温、酸性条件下、高濃度の亜硫酸水素ナトリウムと反応させる必要がある。その結果、反応後に回収されるDNA量が極端に低下するため、その増幅産物で評価したメチル化の割合がゲノムのメチル化を定量的に反映しているかどうかが問題視されている。本研究では、シトシン塩基のみと温和な条件下で反応が進行する試薬や触媒試薬の探索を行うことにより、バイサルファイト・シーケンシング法における、定量性を格段に向上させる方法の開発を目指している。DNAオリゴマー中のシトシンとバイサルファイトの反応時に、ヒドロキシルアミンの劇的な加速触媒効果を確認した。その後、コバルトイオン(二価)存在下での過酸化ベンゾイルとの反応により、シトシンのオキシムスルポネート誘導体を経由して、比較的温和な反応条件下でウラシルまで導けることを発見した。
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