2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイ解析の再現性・感度・特異度を飛躍的に向上させるデータ解析手法の開発
Project/Area Number |
21710208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門田 幸二 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (60392221)
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Keywords | マイクロアレイ / バイオインフォマティクス / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロアレイ解析において、特に発現変動遺伝子検出を再現性・感度・特異度高く行うための手法の開発およびガイドラインの策定を目的として研究を行った。平成21年度は、数あるマイクロアレイメーカーの中で最もよく利用されているAffymetrix社製のマイクロアレイデータを用いて、6個の前処理(正規化)法と8個の発現変動遺伝子検出(ランキング)法の組み合わせの中から、1.最も再現性の高い組み合わせと2.最も感度・特異度の高い組み合わせの探索を行った。 1結果として、1.研究代表者が開発した発現変動遺伝子ランキング法であるWAD法(Kadota et al., Algorithms Mol.Biol., 2008)が(比較した6つの)前処理法によらず最も再現性が高いこと、2.感度・特異度の高い発現変動遺伝子ランキング法は「WAD法かRank products法(Breitling et al., FEBS Lett., 2004)」に集約されることを導いた。これらの結果をまとめた論文(Kadota et al., Algorithms Mol.Biol., 2009)は、米国FDA主導のマイクロアレイ品質管理(MAQC)プロジェクトで導かれた結論を凌駕するものであるとともに、日本で提案されたガイドラインが世界標準になりうるものとして非常に重要な意味をもつ成果であるといえる。平成21年度はまた、得られたガイドラインの普及をめざし、計4回のマイクロアレイデータ解析のための講習会を基礎生物学研究所および東京大学で開催した。
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