2009 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫寄生糸状菌を中心とした微生物からの自然免疫制御物質の探索と創製
Project/Area Number |
21710215
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 晴久 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (90302166)
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Keywords | 天然物有機化学 / 自然免疫 / 二次代謝産物 / 生物活性物質 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
1.天然資源からの自然免疫制御物質の探索 独自に構築した自然免疫の活性化を検出するための評価系を用いて,様々な天然資源についてスクリーニングを行った.その結果,自然免疫賦活化物質としてビスクロマノン構造を有したgonytolide Aおよびフタリド構造を有したHH-1と称する新規化合物を得た.また,自然免疫抑制物質として既知の環状デプシペプチドaspergillicin Eを得た. 2.単離した化合物を基盤とした活性誘導体の創製 既に以前の研究で得られていた強力な自然免疫抑制物質celastramycin Aについて,その合成法を確立した.その結果,これまでに報告されていた化学構造は誤りであり,ピロール環上の置換位置の異なる正しい構造を明らかにした.また,この合成法を基盤として20種類以上の誘導体を合成し,celastramycin Aの構造活性相関を明らかにした. 一方,1.で示したgonytolide Aについては,天然より得られた化合物を用いて4種の誘導体を合成し,その自然免疫賦活化作用を検討した.その結果,gonytolide Aのビアリール構造が活性発現に必須でありγ-ラクトン部位は不要であることが明らかとなった. また,フタリド構造を有するHH-1についてもその合成経路を確立し,同時にベンゼン環上のヒドロキシル基・メトキシル基の置換パターンを変化させた3種の誘導体を合成し,その自然免疫に与える影響を検討した.
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