2010 Fiscal Year Annual Research Report
タイトジャンクション制御における新規受容体・シグナル伝達解析とその応用
Project/Area Number |
21710219
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
南雲 陽子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (70373339)
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Keywords | タイトジャンクション / コフィリン / 生理活性 |
Research Abstract |
本研究はカプサイシンがCaco-2腸管上皮モデルの物質透過性を上昇させる点に着目し、TJ開放シグナル伝達機構の総括的な理解を示す。そのためにはこれまでに明らかになっている四点、1)カプサイシン刺激、2)Ca^<2+>イオンの流入、3)Cofilin脱リン酸化によるアクチン骨格変動、及び4)TJ開放の、詳細な解析を行うとともに、相互の関係を結ぶ分子機構として、I)腸管上皮細胞におけるカプサイシン認識/Ca^<2+>イオン流入の解析:TRPV1様分子についての基礎研究、II)Cofilinの脱リン酸化につながるシグナル伝達経路の解明、III)アクチン骨格変動に伴うTJ構成タンパク質変動解析、の研究を平行して行う。 本年度は各機構の連携について重点的に解析を進めた。まず、昨年度のI)~II)の解析により得られたCofilin脱リン酸化に関与する候補分子を遺伝子導入する実験等を行い、Cofilinの脱リン酸化に関与するポテンシャルを確認した。III)のアクチン骨格変動については、アクチンの状態変化に着目した解析により、骨格変動とCofilinの働きを結びつける結果が得られた。またTJ構成タンパク質変動解析については、これまでの二次元平面での観察に加え、細胞の極性を反映する三次元での観察を行った。その結果、TJ構成タンパク質とアクチンの新たな変動を見出すことができた。昨年度~上記の解析を考えあわせることにより、アクチン状態変化及びTJ構成タンパク質変動がTJ開放=物質透過性上昇に関係する可能性が示された。そこでTJ構成タンパク質について詳細な解析を行ったところ、新たな知見を得ることができた。
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