2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710230
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山口 真範 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20400129)
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Keywords | 糖鎖合成 / シアロ糖鎖 / 有機化学合成 / プロテオグリカン / 酵素合成 |
Research Abstract |
本研究にて合成をおこなう目的とする複雑な糖鎖は、適切に保護された糖同士を化学的もしくは酵素的にグリコシド結合を形成させることにより順次、糖鎖同士を連結して合成していく戦略をとる。本年度は、合成を完了したアクセプター糖ヘドナー糖を連結して目的糖鎖骨格の構築に臨んだ。最初にシアロ糖鎖ライブラリーの構築実績について述べる。これらの糖鎖はビルディングブロックとして合成したシアル酸ドナー、ガラクトースアクセプター、グルコサミンドナー、ラクトースアクセプターの4つの部分から合成した。まずシアル酸ドナーとガラクトースアクセプターを反応させ、2糖のシアリルガラクトースを得、更にこれをシアリルガラクトースドナーへと合成変換した。次にグルコサミンドナーとラクトースアクセプターを連結し、3糖を得てこれを3糖アクセプターへと合成変換した。そしてこれらのシアリルガラクトースドナーと3糖アクセプターを連結し、目的とした5塘骨格であるsialyl(2-6)galLacNAc完全保護体の合成を達成した。また合わせて課題であったシアリダーゼを用いたシアロ糖鎖の酵素的合成法の検討を行った。検討用モデル化合物として還元末端にアルキニル基を導入したラクトースを合成しシアリル化を行った。その最適化を鋭意行い、収率として最大20%までシアリル化の効率を高める事が出来た。次にグリコサミノグリカン糖鎖ライブラリーの構築実績について述べる。目的とするグリコサミノグリカン糖類は(GlcUA-GalNAc)の繰り返し構造をとり、この2糖単位の構築が重要なキーポイントとなる。現時点で、2糖の構築に成功しているが収率が芳しくないため、反応条件の検討、ドナー糖、アクセプター糖の保護基の検討を行い合成の最適化を行っている。最後にクリックケミストリーを用いたこれら糖鎖のプローブ化は現在、着手し検討中である。
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