2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710230
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山口 真範 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20400129)
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Keywords | 糖鎖合成 / シアロ糖鎖 / 有機化学合成 / プロテオグリカン / 酵素合成 |
Research Abstract |
本年度において当初の計画として掲げた免疫現象に関連するシアロ糖鎖ライブラリーであるsialylα(2-6)gal 6-sulfo LacNAcプローブと2種類の類縁体であるde-N-acetyl体、Lactam体の有機化学合成は達成した。モノクローナル抗体との反応試験を行い、生体内における新たな免疫調節機構の存在の解明に大きく貢献した。 次にプロテオグリカン糖鎖においては、天然型コンドロイチン硫酸とオリゴ糖(6糖、4糖)をペプチドへ導入することに成功し、その安定性を評価した。導入糖鎖の作用により、ペプチドの安定性を大幅に増すという新たな知見が得られた。医薬品の生体内での安定化剤として応用できることを明らかにした。グリコサミノグリカン(GAG)糖鎖ライブラリー構築は、前年度でも報告した通り有機化学合成での合成が難航していたが、それに代替し得る手段として革新的ハイブリッド型合成法の確立を達成した。その技術を用いてコンドロイチン硫酸オリゴ糖、ヒアルロン酸オリゴ糖を合わせて14種類の合成を達成した。これらの糖鎖はGAGの有する活性中心構造の解明に有用なプローブとなる。 またプロテオグリカンそのものをあらゆる有機化合物に簡便に固定化する新たな方法を開発した。 (特願2012-057111)その技術を用いて、プロテオグリカン新規素材の創出を行い新たなプロテオグリカン研究利用形態を提唱することが出来た。 最後にガン関連糖鎖抗原であるシアロ糖鎖ライブラリーについては、当初予定していたシアリダーゼを用いたハイブリッド型合成法の開発が難航したが鋭意検討の結果、そのハイブリッド型合成法の開発に成功した。(特願2011-204579)本手法に基づき合成を順次達成していく予定である。
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Research Products
(5 results)