2009 Fiscal Year Annual Research Report
合成化学的手法を用いた抗HIV活性物質シンビオジノライドの構造決定
Project/Area Number |
21710231
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高村 浩由 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70422798)
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Keywords | 海洋天然物 / ポリオール / シンビオジノライド / 合成化学 / 構造決定 / 抗HIV |
Research Abstract |
海洋天然物化学は近年大きな発展を遂げ、数多くの生理活性分子が単離、構造決定されている。海洋天然物の中でも、繰り返し構造を有しておらず、高度に酸素官能基化された長い炭素鎖を有する「ポリオール分子」は、まさに海洋天然物特有の化合物群である。本化合物群はその構造的特徴と強い生理活性から、有機合成・薬理学・分子生物学の分野で注目を集めている。本研究ではポリオール海洋天然物シンビオジノライドの構造解明を目的とした合成研究を行っており、平成21年度の研究成果を以下に記述する。 1. C1'-C25'フラグメントの合成と絶対立体配置決定 KotsukiカップリングおよびJulia-Kocienskiカップリングを鍵反応に用いることで本フラグメントを立体選択的に合成した。さらに天然物に対するアルカリ加水分解により得られた分解生成物との各種データの比較を行い、本フラグメントの絶対立体配置を明らかにすることができた。 2. C14-C24フラグメントの合成と絶対立体配置決定 シンビオジノライドに対しエチレンを用いたクロスメタセシスを行い、C14-C24フラグメントに相当する分解生成物を得た。さらに本フラグメントを化学合成することで絶対立体配置を明らかにすることができた。 3. C23-C34フラグメントの合成と絶対立体配置決定 L-アスパラギン酸を出発物質として、本フラグメントの考え得る4つの立体異性体を全て合成した。さらに本フラグメントの分解生成物との詳細なデータの比較を行い、その絶対立体配置を決定することができた。 4. C33-C42フラグメントの合成と絶対立体配置決定 L-アスパラギン酸を出発物質として2つの立体異性体を合成し、その絶対立体配置を決定することができた。
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