2010 Fiscal Year Annual Research Report
ツツジ属植物と菌根共生する菌類の種多様性とその維持機構の解明
Project/Area Number |
21710245
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣瀬 大 日本大学, 薬学部, 助教 (20513922)
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Keywords | 菌類 / 生物多様性 / 環境 / 生態 / ツツジ / 菌根共生 / 分布 / 資源保全 |
Research Abstract |
菌根共生は植物と菌類との相利共生的関係として知られ、多くの陸上生態系においてほぼ普遍的にみられる生物間相互作用である。この関係は、生態系機能に関与する重要な生物間相互作用として認識されており、菌根共生菌の生態研究は現在世界的に精力的に行われている。しかし、菌根共生菌の種多様性にどのような規則性があるかについて生態学的アプローチから実証的に示した研究は殆どない。本研究では、ツツジ属植物と菌根共生するOidiodendron属をモデル材料とし、本邦の異なる気候帯や植生帯における種多様性の分布パターンを実証的に明らかにする。さらに、そのパターンの制限要因を、環境要因、系統学的要因や生理生態的特性、種間の競争関係の点から解明することを目指す。得られた結果から本属菌の種多様性の維持機構を考察し、資源保全に対する一指針を提供することが本研究の最終的な目的である。本年度は、まず昨年度取得菌株数が少なかった南西諸島を中心にツツジ根の採取、本属菌の分離・培養を進めた。獲得した54菌株に関して形態観察とrDNA ITS領域の塩基配列に種同定を行った。昨年度のデータを加えると、未記載種を含む27種の分布を確認することが出来た。広域的に分布するO.maius以外の数種では、分布が気候帯や植生帯等に影響を受けている可能性が示唆された。そこで、個々の種の生理生態学的特性を明らかにするため、まず菌根形成実験を行った。その結果、全ての種が菌根形成能力を有することが明らかになった。現在、これらの種の成長最適温度及びpHの評価と資源利用様式に関する実験を継続しているところである。
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Research Products
(4 results)