2011 Fiscal Year Annual Research Report
開発実践の副次効果と住民活動の創造的展開-タンザニアにおける農村開発の事例
Project/Area Number |
21710258
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
黒崎 龍悟 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90512236)
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Keywords | 東アフリカ / 実証的研究 / 質的評価 / 農民グループ / 在来性 |
Research Abstract |
本研究は東アフリカ、タンザニア南部の住民参加型農村開発に焦点を当て、農村開発のもとで発現する地域住民の主体的・創造的な対応を長期的・実証的な調査研究により解明することを目的としている。とくに開発を推進する側が意図しない、いわば「副次効果」とみなされていた部分にこそ住民の主体性・創造性が反映されるとの考えにたち、その実態を明らかにするとともに、それが開発実践にフィードバックされることの重要性を提起する。この内容に関連する本年度の主な研究実績は以下のとおりである。 1.学会・研究会発表:昨年の現地調査で得られた、現在進行中の開発政策と住民グループ活動に関連するデータをまとめ、1つの国内研究会で発表し、関心領域の近い研究者との意見交換をおこなった。その他、福岡に拠点を置くNGOの主催する1つの勉強会においてNGO関係者や学生、一般市民を相手に本研究の内容を紹介し、開発実務の視点から研究内容を深めることに努めた。 2.短報の発表:開発プロジェクトのインパクト(「副次効果」)に関する学会報告(2010年度)の内容をまとめた2つの短報を発表した。 3.現地調査:現地調査のためタンザニアに40日間渡航した。昨年の調査で、住民が過去の開発プロジェクトにおける経験を活用しながら、現在の開発政策による資源を有効に普及させる独自の仕組みを形成しつつあることを明らかしたが、本年度の調査により、その動きが地域に根付いたものであることを確認した。また、現地で住民グループ交流会を兼ねたワークショップを2日間にわたり開催した。これまでの研究を総括して発表し、今後、研究成果を実践活動につなげる方途を住民とともに探った。 4.研究成果の公開:研究内容を紹介するWebページの内容を更新する予定だったが、システムメンテナンスのため、更新をおこなうことができなかった。システムが回復次第、更新を進める予定である。
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