2011 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム・ハノイの時空間的都市変容と持続的都市形成に関する研究
Project/Area Number |
21710260
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
米澤 剛 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 准教授 (90402825)
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Keywords | ハノイ / DEM / GIS / 都市変容 / 紅河 |
Research Abstract |
ベトナムの首都ハノイは、急速な都市化が進む東南アジアでも成長著しい都市の一つであり、同時に約2、000ヵ所の史跡や歴史的建造物、さらには数多くの歴史的資料を残す「歴史都市」でもある。そのハノイは紅河デルタの低湿地帯に立地し、古くから洪水などの自然災害に直面してきた。そのため都市形成には、人間活動だけでなく地形、地質、水文、気候などの自然環境を含めた要因が大きな影響をもたらしていると考える。ハノイの都市形成過程を解明するには、歴史的分析だけで無く、これらの自然科学的要素も含めた時空間的分析が必要である。本研究では、収集、蓄積された歴史資料、フィールド調査データ、衛星画像データにもとづいてハノイの19世紀から現在までの都市変容をGISやリモートセンシング等の技術を用いて明らかにし、持続的な都市形成に必要な提言をおこなうことを目的としている。 今年度はベトナムのハノイ全域を中心に、(1)ボーリングデータに地質構造の推定、(2)デジタル標高地図の作成、(3)3次元GISポリゴンデータの作成をおこなった。(1)については、ハノイの郊外を含めた約120点のボーリングデータを用いて、ハノイの地質構造を推定した。(2)については、昨年と同様の手法を用いてDEM(デジタル数値地図)を作成し、作成領域を約5km拡張した。(3)については、1:2,000地図に記載された建物データをCADデータとして建物区画地図から抽出し、3次元のGISデータ(ポリゴン)を作成した(地図2枚分)。本研究は、今年度が最終年度となる。本研究をとおして、ハノイの都市を形成する基盤データを構築した。さらに、それら基盤データをGIS上に入力し、50年間の都市の変容を明らかにした。今後はハノイを広域的な視点でとらえ、都市と郊外の関係からみた都市発展を考慮しながら考えていく必要がある。
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Research Products
(6 results)