2012 Fiscal Year Annual Research Report
インドのナショナルな大衆文化の系譜と演劇にみる地域的想像力の展開―ゴアの場合
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21710265
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
松川 恭子 奈良大学, 社会学部, 准教授 (00379223)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 文化人類学 / インド・ゴア州 / 大衆演劇 / 大衆文化 / ネーション / 地域的想像力 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀から現在に至るインドにおけるナショナルな大衆文化の系譜のなかに、西部インド・ゴア社会の大衆演劇ティアトルの発生と展開を位置づけ、新たな大衆文化と想像力の形が、地域社会の再編に果たしてきた役割を明らかにすることを目的とする。 本年度は、平成24年8月・9月の10日間にわたるムンバイでの現地調査、平成25年2月・3月の1週間にかけてのゴアにおける現地調査を実施した。1950年代から1980年代にかけて活躍したムンバイ・ゴア在住のティアトル関係者10名(内訳は俳優8名(男性2名、女性6名)、有名ティアトル俳優(故人)の妻、メークアップ担当者)にインタビューを実施した。インタビューはリサーチアシスタントを雇用してビデオ撮影を行い、編集した。また、当時ティアトルが上演されていた劇場の場所を確認した。以上の調査から、ゴア・クリスチャンが集住していた地域を中心に既存の劇場以外の場所(たとえば学校の講堂)でティアトルの上演が行われていたこと、切符販売でゴア・クリスチャンが経営者である雑貨店がティアトル上演に大きな役割を果たしていたことなど、当時のネットワーク形成の状況が明らかになった。また、ティアトル俳優はヒンディー映画への出演や俳優との交流を通して、インド映画業界(ボリウッド)とのつながりを持っており、ティアトルがインドの主流大衆文化との相互作用の中で独自の発展を遂げてきたことが明らかになった。 上記の作業に加えて文献レビュー、平成21年~22年度にかけて収集したデータの分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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