2010 Fiscal Year Annual Research Report
ルヌーヴィエの実践哲学の構造とフランス自由主義の哲学
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21720001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村松 正隆 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (70348168)
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Keywords | ルヌーヴィエ / ジャン・ヴァール / 新カント主義 / 19世紀フランス哲学 / 実証主義 |
Research Abstract |
2010年度の研究において、Renouvierの理論哲学研究においては、特にその因果論に注目し、カント主義との差異にも注目しつつ、Renouvierの因果論の射程を明らかにすることを試みた。また、実践哲学の研究においては、その道徳論の研究を進め、彼の「防御権」に注目することで一定の研究を進めると同時に、彼の道徳哲学の特徴を表わすいくつかの雑誌論文の翻訳を行った。これらは、2011年度末に出される本研究の報告書に掲載される予定である。 2010年度は他にも、自らの哲学的方法論を構築するにあたってRenouvierのアンチノミー論を参考にした、Jean Wahlの諸著作の続解に積極的に取り組み、日本語では十分に紹介されていないJean Wahlの哲学の概括的な紹介の準備を行った。その成果の一端は、2010年12月11日に行われた北海道大学哲学会の、Wahlを巡るシンポジウムの企画と発表に現われている。また、このシンポジウムの成果は、2011年度8月に公刊される北海道大学哲学会機関誌『哲学』に掲載される予定である。 また、モンペリエ大学図書館ルヌーヴィエ文庫に納められているルヌーヴィエ宛の書簡を続解した。この文庫には、Louis LiardやGabriel Tardeといった、19世紀末のフランスの多くの知識人がRenouvierに宛てた手紙が収められており、当時の知的風土、ならびにRenouvierが勝ち得ていた名声を明らかにするものとなっており、極めて興味深い。これらの手紙については、2011年度末に公にする研究報告書において、その姿を紹介することにしたいと考えている。
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Research Products
(3 results)