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2010 Fiscal Year Annual Research Report

現代倫理学における「ヒューム主義」に関する哲学史的研究

Research Project

Project/Area Number 21720012
Research InstitutionNanzan University

Principal Investigator

奥田 太郎  南山大学, 人文学部, 准教授 (20367725)

Keywordsヒューム主義 / 信念/欲求モデル / 適合の向き / 実践理性の懐疑論 / 内在主義/外在主義 / 動機づけ / 直観主義 / 行為の理由
Research Abstract

昨年度において明確になった「ヒューム主義」の三つの系譜((1)信念/欲求モデル、(2)適合の向き、(3)実践理性の懐疑論)をそれぞれ個別に探究することが本年度の課題であった。(1)について、ヒューム研究者および心の哲学の専門家らとの議論を通じて、信念/欲求モデルの哲学的重要性について検討し、現代倫理学の「ヒューム主義」がその一角を成すに過ぎないこと等を学んだ。それとともに、(2)について、M.スミス流の「適合の向き」がサール流の「適合の向き」と実質的に異なっている背景に、その理論的妥当性をめぐる見解の相違があり、それが「ヒューム主義]の哲学的重要性を高めうるかもしれない、という見通しを得た。さらに、(3)について、内在主義/外在主義論争の百年間の系譜を具体的に追うことで、この論争に現代倫理学史上の位置づけを与えようと試みた。その過程で暫定的に明らかになったのは、この論争が、そもそも直観による「正しさ」の把握と動機づけとの関係を神や信仰を持ち出さずにいかにして説明しうるか、という課題に深く関わっており、直観主義理論における動機づけ理論の確立という側面をもつ、ということである。さらに、後のカント主義的なアプローチの隆盛により、その対抗理論としての動機づけのヒューム主義理論がいっそう鮮明になった、ということも明らかになった。これらを総合的に踏まえ、昨年度の文献的な系譜研究と合わせることで、いよいよ「ヒューム主義」という思考の枠組みがもつ哲学的含意と有効性を論じる準備が整ったことになる。本研究課題によって、分析倫理学の論争上、多くの哲学的な争点が理論装置の洗練のために切り詰められてきたということがより明示的になったと思われる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 2010

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] よりヒューム的な道徳心理学を構想する-共感、コンヴェンション、そして会話-2011

    • Author(s)
      奥田太郎
    • Organizer
      日本イギリス哲学会第35回大会ヒューム生誕300年記念シンポジウム「いまなぜヒュームか」
    • Place of Presentation
      京都大学(京都府)
    • Year and Date
      2011-03-28
  • [Presentation] 内在主義/外在主義論争で何が問題になってきたのか-分析倫理学者による闘いの足場を確認する-2010

    • Author(s)
      奥田太郎
    • Organizer
      日本倫理学会第61回大会主題別討議
    • Place of Presentation
      慶応義塾大学(東京都)
    • Year and Date
      2010-10-09

URL: 

Published: 2012-07-19  

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