2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720013
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中 真生 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (00401159)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生殖 性差 他なるもの |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、「苦しみと身体をめぐる倫理学的研究」のうち、とくに性、ジェンダー、女性、生殖に重点をおきつつ研究を進めた。昨年度は、生殖技術を中心主題におき研究を進め、その成果のうちとくに「出生前診断」をめぐる問題について、4月に行われた第4回東アジア応用倫理学・応用哲学国際会議にて発表した。今年度は昨年度の成果を踏まえながらも、生殖や生殖にかかわる性差についての哲学・倫理学的考察や、フェミニスト哲学・倫理学の視点からの考察により重点を置いた。まずフェミニスト倫理学の核の一つである「ケアの倫理」に焦点を当て、その起こりから、ケアの倫理への批判、第二世代以降の展開などについて基礎から学び直した。また、妊娠・出産・育児に関するフェミニスト現象学やフェミニスト哲学の研究を検討し、レヴィナスの生殖や性差に関する主張と合わせて、生殖と性差に関して、哲学的かつ具体的経験に沿った考察を行い、次年度初頭に北欧現象学会で講演する原稿執筆を行った。 昨年度の生殖技術を中心とする研究においては、科学技術に関する倫理的問題や現在の日本や諸外国の状況についての応用倫理的な研究は広げることができたが、他方で、生殖や性差に関する哲学、倫理学的観点からの掘り下げた考察や、理論構築、またフェミニズム思想、フェミニズム倫理学の視点からの考察がいまだ不十分であった。今年度の研究においてはこれらの側面をある程度補強することができた。これは生殖技術関連の研究を、本研究課題である、「苦しみと身体についての倫理学的研究」という大きな枠組みにつなげ、そこに位置づける試みでもあり、最終年度にふさわしい研究成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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